WBAスーパー、WBCフランチャイズ世界ミドル級王者でWBA世界スーパーミドル級正規王者のサウル・アルバレス(29=メキシコ)が4階級制覇を達成した。2階級の世界ベルトを保持したまま、同王者セルゲイ・コバレフ(36=ロシア)に挑み、11回2分15秒、KO勝ちを収めた。

「とても感謝している。これは私の経歴、歴史における単なる1歩」。カネロの愛称で世界的な人気を誇るアルバレスがスーパーウエルター級、ミドル級、スーパーミドル級に続く4階級制覇、そして3階級同時制覇を達成。「カネロが歴史をつくるので待っていて。保証する」と豪語した。

序盤は王者の慎重な攻撃に手を焼いた。「全体としてのプランは忍耐だった」。それでも「彼を捕らえるまで5、6回はかかるだろう」との予想通り、中盤からカウンターを中心に的確なパンチをヒットさせた。コバレフの動きが止まりつつあった11回、ロープ際に追い込んだ。左フックでぐらつかせた後、強烈な右ストレートで王者のあごを打ち抜いてキャンバスに沈めた。メキシコ人として4人目の4階級制覇を成し遂げた瞬間だった。

アルバレスは「コバレフは守備的でガードがかたかった。素晴らしいファイターなのでゲームプランにこだわった。少し遅くなったが、全体的には成功だった」と満足顔。これで通算戦績は53勝(36KO)1敗2分けとなった。