ヘビー級タイトルマッチは、王者ロエル・マナート(25=オランダ)が初防衛に成功した。挑戦者クリス・ブラッドフォード(42=オーストラリア)に連打を浴びせ、1回2分19秒、KO勝ちした。

マナートが197センチの長身を利して、重いパンチを10センチ低いブラッドフォードにたたき込んだ。ワンツーとローキックの対角線コンビネーションで前へ出てリズムをつかむと、コーナーに詰めて左右のフックを浴びせた。サム・グレコ推薦選手として期待されたブラッドフォードだったが、崩れるようにダウン。立ち上がるも、深くダメージを負ってKOされた。

マナートの勝利が決まったリングにはピーター・アーツが上がり、ハイタッチで祝福。トロフィー授与も行った。チャンピオンベルトを改めて腰に巻いたマナートは「1年リングから離れていたが、また日本に戻って来られて、ベルトも守ることができてうれしい。今後も日本で、こういう激しい試合をして、こういう勝ち方を見せて行きたい」と笑顔を見せた。

父親は90年代の名選手アンドレ・マナート。17歳でアンドレが代表を務めるメジロジムに入門した。17年11月の初代ヘビー級王座決定トーナメントでは準決勝でイブラヒム・エル・ボウニに敗れたが、昨年3月、王者アントニオ・プラチバットに挑戦。3-0の判定で第2代王座に就いた。今年3月にブラッドフォードと対戦予定だったが、自身のケガで中止。今回が仕切り直しの1戦だった。

「感覚を取り戻すためにスパーリングをこなした。パワー系のトレーニングもした」というマナート。あごひげを蓄え、野性味の増した顔で「相手は選ばない。また早く日本に戻ってきて、防衛戦を行いたい」と会見での舌も滑らかだった。