元UFC世界ライトヘビー級王者で引退後はUFC殿堂入りも果たしているチャック・リデル(50)が、米ロサンゼルス南部ハンティントンビーチで行われた黒人男性が白人警察官に押さえつけられた後に死亡した事件に抗議するデモで過激化する人々に暴力をやめるよう説得する様子が地元テレビで報じられた。

先月25日に死亡したジョージ・フロイドさんの事件をきっかけに全米各地で抗議デモが起きており、暴徒化した一部の人々による略奪や放火が起きている。現在ハンティントンビーチに滞在しているリデルは、道を歩く抗議デモ参加者が小競り合いを始めたのを目撃、仲裁に入って、ヒートアップして暴れようとしている人たちを落ち着かせてトラブル回避に一役買ったという。

「暴力は暴力を生む。暴力は誰のためにもならない。みんなこれは間違いだと分かっている。見るのがつらい」と抗議活動に賛同する一方で、「でも街を破壊すること、人々を破壊すること、人々を傷つけることは、誰の利益にもならない。平和的に訴えるべきだ」とインタビューで語っている。

ロサンゼルスでは市内近郊複数箇所で30日から3日間連続で略奪や建物の破壊など暴動が起きており、外出禁止令が発令される事態に発展している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)