UFCのスター選手で、現ライト級王者のハビブ・ヌルマゴメドフ(32=ロシア)が王座統一後、電撃的に引退を表明した。暫定王者ジャスティン・ゲイジー(31=米国)との同級王座統一戦に臨み、2回1分34秒、三角絞めで1本勝ちを収めた。今年7月、トレーナーの父アブドゥルマナブさんが新型コロナウイルスの合併症のため、57歳で他界。天国の父にささげる勝利だった。

オクタゴン(金網)でマイクを持ったヌルマゴメドフは「父がいなければ、もうオクタゴンに戻ることはできない。3日前、母と電話で話し『お父さん不在で戦うことは止めて』と言われたので、最後の戦いだと母と約束した。父の夢だから格闘技をやってきた。もう何の興味もない」などと引退の意思を示した。

ヌルマゴメドフは29戦全勝(8KO)無敗の戦績。UFCライト級王座を3回防衛し、UFC2階級同時制覇王者コナー・マクレガー(アイルランド)ら強敵を撃破するなど、UFCのスター選手として活躍してきた。