ボクシングのWBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人(26=ワタナベ)が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示し、世界戦前日に中止となった事態を受けて謝罪した。3日にインテックス大阪で同級10位タノンサック・シムシー(20=タイ)との防衛戦を控えた2日にコロナウイルス感染が判明。試合中止を受けて自身のSNSを通じ「本当にごめんなさい」と投稿し、保健所の指導で10日間、大阪市内で隔離生活を送っていた。

12日に隔離ホテルでの生活を終えたという京口は14日、オンラインで所属ジムの渡辺均会長、深町信治マネジャーと会見に臨み「関係者のみなさまにご迷惑をおかけし、申し訳ございません。(コロナが)出てしまったことは仕方ないですが、たくさんの方に迷惑をかけたと思い、対戦相手にも申し訳ない気持ちです。すみません」とおわびの言葉を口にした。悪化を心配していたものの、隔離生活期間も含め、症状はなかったという。

隔離生活での最初の3日間はメンタル的に落ち込み「いろいろなものが崩れ落ちた感じになった」と振り返った。それでも周囲から激励の言葉をもらい、前向きにホテル内でシャドーボクシングなどで体を動かしていたことを明かした。京口は「いつ試合が決まってもいいように体を動かしていた。衰えは心配になるので、やれることはやるようにしていました」と説明。さらに週明けからジムワークを再開する見通しだという。今後、あらためてPCR検査を受ける意向も示した。

挑戦者タノンサックの滞在ビザ期限が12月31日まであるため、国内でのマネジメント契約を結ぶグリーンツダジムとワタナベジムの両陣営間で調整しているが、渡辺会長は「いろいろな意見がある。1つは年内にやるべきという意見、コロナが急増している中で、これは開催してはいけないのではないかという意見もあるので慎重に検討している」と話すにとどめた。

◆京口の隔離中の1日 起床後、午前8時に体温など体調をパソコンで入力。午前10時に保健所から電話で体調の確認。食事は8時、0時、18時の3度、いずれも弁当。京口は毎日、12ラウンドのシャドーボクシングと筋トレを欠かさず。