WBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人(27=ワタナベ)に挑戦予定だった同級10位タノンサック・シムシー(20=タイ)が23日、タイへの帰国(24日)を前に大阪市内のグリーンツダジムからオンラインで会見した。

当初は11月3日に大阪で予定されたが、前日計量後に王者京口を含む陣営に新型コロナウイルス感染の陽性反応が判明。試合は急きょ中止となった。興行主のワタナベジムはタノンサック戦の年内実現を目指し、12月26日に大阪で会場も押さえていた。しかし、コロナ禍が広がった社会情勢と京口の体調不良もあり、結果的に断念となった。

タノンサックは「今回は試合できなくて残念だったが来年、京口選手も元気になって試合やりましょう」。日本でのマネジメントを請け負うグリーンツダの本石昌也会長によると、王者が所属するワタナベジムとはWBAから挑戦者の指名がない限り、タノンサックを挑戦者の最有力として来春にも世界戦を行うと、書面でかわしているという。

タノンサックは「タイで少しだけ休憩して、すぐに練習したい」。世界挑戦を見据え、年明け2月にも試合をはさむ意向を持つ。「試合ができなかったのは悲しいが、ボクシングは仕事。必ず(世界挑戦が)できると信じている」というタノンサックが、約3カ月の日本滞在を終えて、母国に戻る。