GHCナショナル王者の拳王(35)が、師匠である新崎人生(54)とタッグを組み、清宮海斗(24)、稲葉大樹(32)組に勝利した。

会場を1番沸かせたのは最年長の新崎だった。「拳王がいつもあおるから、頑張らざるを得なかった」と謙遜したが、白装束に身を包み、先陣を切った54歳は、年齢が半分以下の清宮との力比べに負けなかった。ヘッドシザーズも軽快な身のこなしでかわし、会場からは大きな拍手。さらにロープ上を綱渡りのように歩く、拝み渡りも披露し、バランスの良さも見せた。次々と技を仕掛ける師匠の頑張りに、拳王も負けていられない。中盤以降ダイビングダブルニードロップや、ラリアットで応戦。最後はパワーボムを決めた新崎からバトンを受け継ぎ、プロフェッショナルフットスタンプで稲葉を沈めた。

昔と変わらない技のキレに拳王は「どうもありがとうございました。いつまでたっても新崎人生は新崎人生ですね」と褒めた。それでもダメージは大きかったのか、新崎は「ついていくのがやっと。ギリギリだった。もう(拳王の)横には立ちたくないですね」と本音を明かした。

ともに徳島出身で、同じ高校ということもあって、新崎のいた、みちのくプロレスに入門し、指導を受けた。師匠からは「着実に進化している姿をずっと見てきた。同世代のプロレス界を背負っているレスラーに成長した。みちのくプロレス1番の出世頭、とてもうれしく思っています」と最高の言葉をもらった。さらに「(新崎プロデュースの)『徳島ラーメン 人生』や、人生体操を宣伝してくれてありがとう」と感謝され、こわもてだった顔が一瞬だけ緩んだ。

最後に「このような状況でも夢は必ずかなうだろ。金剛と一緒にさらに大きな夢を持とうぜ」とファンに向かって叫んだ。師匠とのタッグで勝利をつかみ、成長した姿を見せた拳王は、師匠の背中を追い掛け、再び歩み始める。