選抜予選の部男子ウエルター級決勝で、増田祐士(開志学園2年)が山際惇生(巻総合2年)に2回24秒RSC勝ちし、2連覇を達成した。

サウスポーの増田が重量感のある左ストレートをヒットさせた。ふらついた山際を見てレフェリーがストップ。2回24秒、自身の最大の武器でこの試合2度目のダウンを奪い、試合を決めた。

「本当は1回で倒したかった」。1回終了間際に左ストレートで最初のダウンを奪っていた。前日17日の準決勝は1回52秒でRSC勝ち。開始からの連打で圧倒した。決勝は「慎重に勝ちに行った」と一転して距離を取ったボクシングを展開。それでもこれで通算7勝(2敗)のうちRSC勝ちは5つ目。破壊力は十分に見せつけた。

昨年は1年生ながら県予選、北信越予選を制して全国選抜大会出場を決めた。だが、新型コロナウイルス感染拡大のため選抜は中止。「残念だったけど、みんな同じ思い」。昨年、ボクシングは代替大会を含めた公式戦が行われなかったため、この県予選が1年ぶりの公式戦だった。

この間、体幹、筋トレで体力アップを図った。「どんなに押し込んでも軸がぶれない。そこから強いパンチを打てる」。96年アトランタ五輪ライトウエルター級代表で、アマのハードパンチャーで鳴らした仁多見史隆監督(46)も成長ぶりを認める。

吉田小4年から総合格闘技を始め、開志学園には入学前から練習に通っていた。培ってきた格闘センスは開花間近。北信越予選(29~31日、石川)で優勝すれば、1年越しの選抜切符を手にする。増田にとってはキャリア初の全国大会。「もちろん、全国制覇を狙っている」。目標到達へ、最初のステップを無難にクリアし自信を深めた。

 

◆増田祐士(ますだ・ゆうじ)2003年(平15)6月29日生まれ、燕市出身。吉田中ではバレーボール部に所属し、卒業前に新潟市ボクシング教室でボクシングを始める。戦績9戦7勝(5RSC)2敗。174センチ、68キロ。