元世界2階級制覇王者の亀田和毅(29=3150ファイトクラブ)が、5月5日にエディオンアリーナ大阪第2競技場で契約体重56・5キロの8回戦で三宅寛典(32=広島)と対戦する。19年7月以来、約1年10カ月ぶりの実戦となる。

6日に大阪市内で練習を公開した和毅は「約2年も試合をしてなかったんでうれしい。大阪(での試合)は8年ぶりなんでめっちゃ楽しみです」。ただ、テーマを持って臨む。「8ラウンド、フルで戦いたい。タイミングで倒れたらしょうがないけど」。実戦から遠ざかっているだけに、手探りで感触を確かめる。

新型コロナウイルス感染症の影響により、多くのイベントに含まれる形でボクシングも厳しい興行形態をしいられている。ボクシングでいえば、特に関西では厳しく、興行として成り立つ「個」の登場が求められている。

和毅も、事情は理解している。「正直、(業界は)厳しいと思う。その中で自分たちがやれることはいい試合を見せることしかない。生まれ育った大阪だから気合は入っています」と話す。興行主は感染拡大防止へ、最大限の対策を施す。それでも防ぎきれない現状がもどかしい。

チケットを買って、会場で生観戦する。これまでの当たり前が、通用しない時代となった。和毅も「いろんな発信のやり方はあると思う」。それは兄で、3150ファイトクラブ会長の亀田興毅氏(34)が最も力を入れている部分だ。

コロナ禍でのボクシング興行。ともされている火を消すわけにはいかない。さまざまなチャレンジが行われている中、若い亀田興毅会長の発進力も注目される。【実藤健一】