WBO世界ライトフライ級11位の高山勝成(37=寝屋川石田)が同級王者エルウィン・ソト(24=メキシコ)に挑んだ。

【リングイン】まずは挑戦者の高山が入場した。赤いキャップ、黒いガウン姿で、ロッキーのテーマに乗ってリングインした。グローブは金。王者ソトは黒いキャップをかぶり、足早にリングに入った。こちらのグローブは王者ながら珍しく青だった。

【1R】高山が足を動かしながら左回りし、小刻みにパンチを繰り出していく。ソトは初回から強打を振り、1分すぎに右ストレートでぐらつかせた。さらに残りわずかで左ストレートを見舞い、連打を繰り出して圧倒した。

【2R】高山が左ジャブ、連打で先手をとろうとするが、有効打は奪えない。ソトは左ボディー。終盤右ストレートからの連打で押し込んだ。

【3R】高山は左右ボイディーなど手数では上回るが、ソトは両腕で堅いガード。じりじり詰めながら、大ぶりのパンチを打ち込む。残り10秒でロープに追い込んで連打を浴びせた。

【4R】高山の手数、ソトの強打の流れは変わらず。ソトの右オーバーハンドが2度ヒットする。高山も終盤接近戦で左右ボディーを打ち込んで反撃した。

【5R】高山がジャブからのコンビネーションで攻め込んでいくが、ソトの堅いガードをなかなか崩せない。接近戦となると、休まず連打を打ち込んでいった。

【6R】高山がせわしなくパンチを出し、ソトが攻めきれない。2分すぎにソトのワンツーが決まり、高山がぐらつく。終盤果敢な打ち合いでソトのアッパーが決まった。

【7R】劣勢の高山だが手も、足も止まらない。小刻みなパンチでペースをつかみ、ゴング後には両腕を突き上げた。

【8R】高山が休まずに攻め続ける。ソトは疲れかペースダウンしているが、右ストレート、左アッパーを決める。高山も右ストレートを決めて反撃した。

【9R】1分半すぎにソトがワンツーを決めて追い込んでいく。さらに連打を顔面に見舞う。高山も押し返していくが、まったく手が出ない。防戦一方の展開に、レフェリーが試合を止めた。納得がいかない高山は、セコンドに促され、リング中央でシャドー。まだ続行できたとアピールした。

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前日6日に計量をクリアした高山は「無事に計量をクリアできて安心しました。明日の試合でベストを尽くし、世界タイトルを奪取します」とコメントしていた。急なオファーで決まった試合で、減量を含めた調整期間はわずか3週間だった。

ミニマム級で世界主要4団体を制し、アマチュアで東京五輪を目指したがかなわずプロに再転向した高山にとって、約4年9カ月ぶりの世界戦。勝てば、37歳11カ月で世界王座奪取は日本男子最年長となる。

王者ソトは18勝(12KO)1敗の戦績を誇り、若く勢いがある。高山は32勝(12KO)8敗1無効試合。