2日のNEVER無差別級6人タッグ王座に挑戦する天山広吉(50)、小島聡(50)、永田裕志(53)の3人が、それぞれシングルマッチの前哨戦を行い、1勝2敗ながらも、王者を追い詰め、タイトルマッチに弾みを付けた。

YOSHI-HASHIと対戦した天山は、顔面を張られたり、踏みつけられる屈辱を力に変え、真モンゴリアンチョップやヘッドバッドで応戦した。終盤のダイビングヘッドバットをかわされ、流れを失うと、バタフライロックでギブアップ。それでも敗戦後はすぐに立ち上がり、相手をにらみつけて挑発した。6月22日に挑戦表明してから汚い言葉を連発するほど闘志を見せている天山。この日も「ふざんけんな、このアホ。バカタレが。3人が組んだら一発やからな、ぶちのめしてやるよ」と怒りをあらわにした。

後藤と対戦した小島は、序盤から集中的に痛めつけられた右腕で見事勝利した。「どっちが先に“いっちゃうか”が勝負のカギ」と話していた後藤に「いっちゃうぞバカヤロー」と雄たけびを上げ、豪快にダイビングエルボーを決めた。最後は強烈な右ラリアットで1回転させてKO。悔しがる後藤を尻目に両手を高々と突き上げた。米国遠征で経験を積み、試合をやるたびに強くなっているという小島。「中盤以降何も覚えていない。それでも結果を出せたことは今の俺にとって大事なこと」と納得の表情で語った。

メインでは永田が石井と対戦。石井が前々回(6月2日)の防衛後に新日本本隊を「腰抜け」と発言をしたことに永田が激怒し、遺恨が勃発。22日の挑戦表明後は試合前から試合後まで乱闘を繰り広げるなどエスカレートしていた。この日も石井の強烈な逆水平チョップとエルボーに胸を真っ赤にしながらも最後まで立ち上がり、奮闘。背中にサッカーボールキックを何度も蹴り込み、連続の張り手で石井の足元がふらつくなど勝利目前に迫ったが、3カウントは奪えず。22分を超え、逆転の垂直落下式ブレーンバスターで力尽きた。それでもしっかりとした足取りでバックステージに向かい「チキショー。手応えあったのに悔しい。明日だ。それだけ」と叫んだ。

久しぶりのベルト奪取に燃える3人。決戦前日の激闘で疲れが心配されるが「全部ひっくり返してやる」(天山)、「必ず意地を見せてやる」(小島)、「明日勝って全部帳消しだ」(永田)と前を向く。新日本を支えてきた元気いっぱいの第3世代3人が、最多防衛回数を誇る最強王者に立ち向かう。【松熊洋介】