GHCナショナル王者の杉浦貴(51)が、ゼロワン世界ヘビー級王者の田中将斗(48)を破り、2冠王者に輝いた。

お互いをリスペクトし、かつ「絶対に負けたくない」とライバル視する2人のぶつかり合いは35分以上に及んだ。リング上での五輪予選スラムを返された杉浦は「上から行くしかない」とコーナートップからの雪崩式五輪予選スラムをさく裂させた。

試合後、杉浦は田中から2本のベルトを手渡され、深々とお辞儀をされた。「予想を超えた負けん気の強さ。今日はたまたま俺が勝っただけ。また戦いたい」と相手をたたえた。

13年に田中が結成した「弾丸ヤンキース」の元メンバーの杉浦は、所属は違えど田中を「常に意識している」と話す。田中が最近、武藤、丸藤らのユニット「M‘s alliance」のメンバーとしてノアに参戦するようになり、今回の対戦が実現した。「団体の大事なベルトを掛けてくれた。ありがとう」とライバルに感謝した。

来月からは16選手による「N-1 VICTORY」が開催される。「2冠王者として負けられない。全勝優勝する」と意気込んだ。その先には丸藤の持つ最高峰のGHCヘビー級のベルトを視野に入れる。7月11日仙台大会で挑戦し、敗れている。「もう1つのベルト取りに行くから期待して欲しい」とファンに向け、リベンジを誓った。

田中からは「看板のベルトを奪われたのは悔しい。取り返さないといけない」と再戦を要求された。杉浦は同世代のライバルたちと今後もしのぎを削り、ベルトの価値を高めていく。【松熊洋介】