アマチュア全日本女子で2階級(フライ級、フェザー級)を制覇した晝田(ひるた)瑞希(25=三迫)が上々のプロデビューを飾った。日本女子フライ級2位山家七恵(30=中野サイトウ)との女子スーパーフライ級6回戦で拳を交え、3-0の判定勝ち。東京オリンピック(五輪)の選考試合で五輪切符を争った入江のライバル。同五輪ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈(21=日体大)もリングサイドで応援。晝田の勝利を見届け、大きな拍手を送った。

1回に右目上カットに追い込む鋭い左をみせると、右フックでダウンも奪取した晝田は「とても緊張してしまっていつもしていることは出せなかった。無事に勝てて良かったです。世界王者になるのはもちろんのこと絶対の目標の1つ。女子のアマチュアに入江選手が革命を起こした。プロでは私が革命を起こしたと言われるようになりたい」と意気込んだ。

19年12月、晝田は東京五輪の開催国枠の候補選手を決める選考試合に出場。入江と代表の座を争って判定負けを喫し、五輪切符を逃した。所属先の自衛隊体育学校を除隊後、ピンク色のヘアに染め、三迫ジムに入門。東京五輪期間は「辛かった。開会式も他競技も見られなかった」ものの「五輪が終わってから全部、乗り越えた気持ちになれました」と振り返る。

自分に勝利したライバル入江が金メダルを獲得し「すごいことを成し遂げて、リスペクトをしている。自分に勝った選手が金メダルを取ったとポジティブに考えられた。1つの負けの重みが自分の体で感じられた。今は負けたくない気持ちが強い」。アマ戦績は29勝(13KO・RSC)16敗。勝利後、リングでバック宙まで披露した晝田が鮮やかなプロデビューを飾ってみせた。