ボクシング前WBC世界ライトフライ級寺地拳四朗(29=BMB)が24日、現役続行を正式表明した。9月22日に現王者矢吹正道(29=緑)に10回TKO負けを喫して以来、63日ぶりに東京・水道橋の後楽園飯店で会見。「最初は1回負けたら辞めようと思っていた。悔しさが出てきて応援してくださっているファンもまた頑張ってほしいという声をいただいた。僕も新しい第2のストーリーを、もう1度みんなに見てもらえたらと、もう1度王者に返り咲けたらと思った」と真剣な表情で現役続行への決意を示した。

9月の世界戦では、9回に寺地が右まぶたをカットした場面について、寺地陣営が「故意のバッティング」として日本ボクシングコミッション(JBC)を通じてWBCに質問状を送付。JBCによる連絡不手際で通達が滞っていたが、今月に入って両陣営がWBCからの再戦指令の事実を確認。両陣営が再戦合意に至り、寺地本人による正式な進退表明が待たれていた。 「(矢吹との)再戦指令も出て、また頑張って世界王者になろうと思っています」と強い決意を口にした寺地は「(王座陥落時は)絶望感しかなかった。負けたショックが大きくて何も考えられなかった。ただ負けた相手に勝つこと、リベンジできることは大きい。(連続防衛記録が途切れたが)その分、別の選択肢も増えるのでマイナスには捉えていない。新しいチャレンジができるとワクワクしています」と声をはずませた。

また今回のバッティングに関する一連の流れについて寺地は「(父永氏が)会長なので(質問状などで)言うのは全然問題ないと思っていました。ジムの会長がいうのは普通ですし。僕が言うのはおかしいので見守っていた」と説明。試合時のカットは、バッティングだったどうかは認識できないとし「その時は僕も必死やったし、倒す気持ちだけだったので、そこまで…。(矢吹の頭は)気にはなりましたけれど、僕がどうこう決める話ではない。審判やレフェリーが決めること。僕が決めることではない。結果が出ているので何もいうことはないです」との心境を口にした。

また今後、寺地は三迫プロモーションがマネジメント業務を担当していくことも合わせて発表された。