NEVER無差別級6人タッグ王者チーム、EVIL(34)SHO(32)高橋裕二郎(40)組が、同王座の初防衛に成功した。因縁のYOH、YOSHI-HASHI、後藤洋央紀組を無法殺法で退けた。前日4日にNEVER無差別級王座2度目の戴冠を果たした2冠王者EVILは、試合後もリングサイドの石井に挑発を続けた。

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聖地東京ドームを一瞬のうちに拷問の館に変えてみせた。EVIL率いるユニット「ハウス・オブ・トーチャー」が、前日4日にIWGPタッグ王者になったYOSHI-HASHI、後藤組にも、自分たちの戦い方を貫いた。

ゴング前に相手に襲い掛かる乱闘スタート。序盤から真っ向勝負の相手に、反則攻撃の雨をたたきつけた。EVILが金具むき出しの鉄柱に後藤を打ち付け、高橋裕がYOSHI-HASHIの手にかみついた。セコンドのディック東郷も、当たり前のように乱入しスポイラーズチョーカーによる首絞め攻撃。最後は、SHOが4日に敗北を喫した元相棒YOHの頭をレンチで殴打。9分37秒、そのまま3カウントを強奪し、初の防衛を成功させた。

2冠王者を死守したEVILは、リングサイドで怒りに震えるセコンド石井にベルトを見せつけて挑発。俺が王者だと言わんばかりに、勝ち誇った。昨年12月に行われた調印式では「こいつらに勝つのは当たり前だよ。ケイオスという箱舟を沈没させてやるよ!」と不敵な笑みをたたえながら宣言していたが、東京ドームのファンに初「悪夢」を見させた。

無法殺法で、新日本の歴史を動かしてきた。昨年11月の大阪大会で、史上最多連続防衛記録(9度)の更新を目指したYOSHI-HASHI、後藤、石井組を、EVILが必殺技のEVIL(変則大外刈り)で沈めた。どんな強者コンビでも1年3カ月奪えなかったベルトを、レフェリーも見落とす「華麗な」反則攻撃で奪い取った。

昨年12月に閉幕したワールドタッグリーグの優勝決定戦で、EVILと高橋裕は後藤、YOSHI-HASHI組に敗れ、同タッグ初優勝を逃した。バックステージでは目が据わった表情で「人の試合壊しやがって、ふざけんなよ、この野郎!」と恨み節を語っていた。受けた屈辱は、何倍にしても返す。22年も拷問の館が猛威を振るう。【勝部晃多】