新日本プロレスのレッスルキングダム(WK)16は8日、横浜アリーナで最終戦を迎える。4、5日に行われた東京ドーム連戦では、オカダ・カズチカ(34)がIWGP世界ヘビー級王座初戴冠、初防衛を果たした。

団体創設50周年を迎えた今年のWKは、例年の東京ドーム大会に加え、初の横浜アリーナ大会を開催。約5年ぶりにプロレスリング・ノアとの対抗戦が行われる。

日刊スポーツではWKの見どころを全3回で紹介。今回が最終回。

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WK最終戦横浜アリーナ大会は、空席が目立った東京ドーム大会に対し、元日までにチケットが完売した。ノアが新体制に移行した16年11月以降は交流がなく、両団体が戦うのは約5年ぶりで、多くの注目を集めている。新日本プロレスの大張高己社長は「コロナ禍の日本にプロレスの力で元気を届けたい。戦後から70年にわたり、立ち上がる支えになってきたのは日本のプロレスです」と、対抗戦の意義を強調した。

両団体の戦いは、リング外ですでに始まっている。オカダが「オリンピックに出ている選手が近所の高校のことなんて知らないでしょ?」と痛烈に批判すれば、ノアのGHCナショナル王者拳王が「お前らが困っているから俺たちの力を借りるんだろ?」などと発言するなど、バチバチの臨戦態勢。5日は、ノアの全選手が東京ドームに乱入し、一触即発な雰囲気を漂わせた。

第0試合を含めた全11試合。ダブルメインイベント1と銘打たれた第8試合は、新日のロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン勢(鷹木&内藤&SANADA&高橋&BUSHI)とノアの金剛勢(中嶋&拳王&征矢&タダスケ&亜烈破)が、10人タッグマッチで激突する。鷹木とGHCヘビー級王者中嶋は、同じ04年デビュー。過去2戦2敗でリベンジへ闘志を燃やす鷹木に対し、中嶋は「興味もないし、用事もない」と意に介さず。正反対の2人が、リングでどのように拳を交えるのか注目される。

最終試合のメインイベント2では、オカダ&IWGP USヘビー級王者棚橋弘至(45)が、25歳清宮海斗&59歳武藤敬司と対戦する。新日のダブル王者が、ノアのホープとレジェンドを迎え撃つ格好だ。20年より、清宮から対戦を熱望されてきたオカダは「本当に彼のことは知らないんですよね」と、興味のない様子。一方で「時代がこっちに近づく足音が聞こえてくる。俺が世界を変える」と豪語した清宮は、王者を本気にさせることができるのか。また、棚橋はかつての師匠、武藤に成長した姿を見せられるのか。三者三様の思惑が交錯する。

そのほか、かつてノアで活躍し、GHCジュニアヘビー級王座最多連続防衛10回を記録した石森太二(38)と、現同王者HAYATA(34)の新旧王者対決(タッグマッチ)など、見どころは十分だ。なお、同大会はABEMAのPPV(ペイ・パー・ビュー)で生配信される。