元IBF世界スーパーバンタム級王者小国以載(34=角海老宝石)は約3年ぶりリングで負傷引き分けとなった。現東洋太平洋バンタム級王者栗原慶太(29=一力)とのスーパーバンタム級10回戦で拳を交え、4回途中で偶然のバッティングにより、小国が右眉上を深くカット。試合続行が不可能な状況となった。規定のラウンドに達していないため、4回2分40秒、負傷ドローとなった。試合後、小国は「まだ頑張れということですかね。負けなかったら(現役を)やるつもりだったので。もう少しお付き合い下さい」と現役続行を表明した。

小国にとって19年5月、スックプラサード・ポンピタック(タイ)に判定勝利して以来の試合だった。昨年4月には元東洋太平洋スーパーバンタム級王者和気慎吾(FLARE山上)との対戦が決まりながらも2月に右拳を脱臼して同3月に手術を受けた。半年以上は右拳を使えない状態だったが、左拳でのトレーニングに没頭してきたという。 負傷離脱からの再起戦という意味合いもある一戦だったが「試合途中から試合感覚が戻った。冷静にいけなかったところも自分の甘さかなと思う」と反省も忘れなかった。

長い離脱期間により、すべてのランキングから名前が消えている。16年大みそかにジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)を下して世界王者となり、17年9月に岩佐亮佑(セレス)に敗れて王座陥落。引退から現役復帰と数多くの経験を積んでいる小国は「ここまで調整しながら自分が終わった選手かなとか悩んだ時もあった。最高の相手とそこそこやれたので、まだ頑張れる」と手応え、最後は所属ジムの鈴木真吾会長に向けて「まだやります! 会長!」と宣言していた。