19日開催の立ち技格闘技イベント「THE MATCH 2022」(東京ドーム)でメインイベンターを務めるRISE世界フェザー級王者の那須川天心(23)が18日、K-1スーパーフェザー級王者武尊との“世紀の一戦”に向け、「キックボクシング人生でやってきたことのすべてを出し切る」と誓った。

この日、前日計量に臨んだ那須川は、契約体重58キロを50グラム下回る57・95キロで一発パス。引き締まった身体を披露した。計量前にはRISE伊藤代表の隣で控え、目をつむって瞑想(めいそう)し、集中力を高めた。武尊との20秒間のフェースオフ(にらみ合い)に臨むと、目をそらすことなくじっと見つめあった。

計量から約2時間後、武尊とは別々で会見に登場。時折、すがすがしい笑顔を交えながら、意気込みを語った。「いろいろありましたけど、こうなる運命だと今は思います。俺の中ではこれをやらなきゃ終われないよねという気持ちだったし、そういう風に運命ってあるんだな。動かされているんだなと思いました」。8年越しで実現した同マッチの意義を改めて振り返り、「これまでの人生の全てをかける」と語気を強めた。

この試合を最後に、12歳で始めたキックボクシングから卒業し、ボクシングへ転向する。当初、自覚はなかったというが、「日に追うごとに昔の思い出がよみがえってきて泣けてくる」と胸中を明かした。「漫画でいうと最終回」と位置づけ、「人生の決着」をつけると誓った。

大会前日の緊迫感が漂う中でも、那須川らしさも忘れなかった。白黒のチェックのスーツ姿に記者から「(武尊と)白黒つけるという意味合い?」と問われると、少し間をおいて「そうです」と笑顔で強調し、場を和ませた。

神童の最終回はハッピーエンドしか似合わない。