「カネロ」の愛称で人気の4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(32=メキシコ)が、左手を負傷しながら3度目の対決を制した。挑戦者のWBAスーパー、IBF世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)を3-0の判定で下した。1階級下で戦った過去2戦は1勝1分け。因縁の対決に負けなしで終止符を打った。また5月に負けたWBA世界ライトヘビー級王者ドミトリー・ビボル(ロシア)へのリベンジに自信を示した。

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試合終了後、アルバレスはゴロフキンと抱き合い、健闘をたたえた。先に「ありがとう、私の友人。ファンに3つの素晴らしい試合を披露できた」と感謝の言葉を伝えた。KOで締めくくると宣言し、序盤からパワーあふれる右強打、右ボディーで攻めたが、中盤からゴロフキンの追い上げに苦しんだ。過去にはアルバレスのドーピング違反を契機に舌戦も繰り広げた両者の戦い。アルバレスは「彼は強いファイターだ。彼とリングを共有できてうれしい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

2勝1分けでゴロフキンとの因縁に決着をつけたが、代償も大きかった。アルバレスは「左手の手術が必要になる。左手でグラスが持てない、本当にひどい状態だが、私はファイター。それがここにいる理由だ」と明かした。昨年11月のカレブ・プラント(米国)戦から「おかしくなった」徐々に痛みが増してきたという。「私は人生でいくつかの非常に困難なことを経験してきました。唯一のことは、努力を続け、前進することです」と強調した。

今年5月にWBA世界ライトヘビー級王者ドミトリー・ビボル(ロシア)に敗退し、米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強ボクサー)ランキング1位からも陥落。負けられないゴロフキンとの3度目対決だった。「私は負けで困難な時期を経験してきました。そして負けが素晴らしいことを示してきた。それは謙虚になることを可能にする」と再起を飾った喜びを口にした。

今後に見据えるのは、ビボルとの再戦。11月に防衛戦を控えるビボルが勝てば、来年5月にリベンジの機会が設けられそうだ。アルバレスは「手と体を休める必要がある。もっと強くなって戻る。彼を倒す」と雪辱に燃えていた。

アルバレスがゴロフキンを判定3-0で下す スーパーミドル級王座戦/ライブ詳細