火消しボクサーこと日本スーパーフライ級7位の岩崎圭祐(27=オール)が、鮮やかな3回TKO勝利で“火消し”に成功した。

同級9位中村祐斗(25=市野)と対戦。1回に右フックでダウンを奪い、3回も右ストレートで2度目のダウンを奪う。その後も連打でまとめて、レフェリーストップを招いた。

元消防士の経歴から元世界3階級制覇王者で「3150FIGHT」の亀田興毅ファウンダー(36)が新たに売り出すべく“火消しボクサー”と命名した。「燃えてるもんは何でも消したる」がコンセプトだが、この日は冷静にジャブを突いていくプランが「向こうのパンチが強くて気迫を感じて燃えてしまいましたね」。自身は熱々に燃えてしまったが、最後は相手の闘志を完全鎮火。戦績はこれで8勝(3KO)2分け3敗とした。

大体大浪商高まで12年間、サッカー少年だった。高校卒業後、公務員になるための専門学校に通いながらオールジムに通った。20歳でプロテストを受験し合格したのも「消防士になるのに有利だと思ったから」。半年間、消防士学校で訓練を積み、消防署に配属されたが、そこではボクサーとしての活動は認められないと通告された。

安定した職と悩んだが、「1度きりの人生。勝負したかった」と消防士の道をあきらめ、ボクサーの道に踏み入れた。ボクシングの技術はまだまだだが、消防士の訓練で腕立て伏せ2時間で鍛えた肉体に秘めたポテンシャルは高い。

プロへの道を決めてから書き始めたノートに「28歳で日本タイトル。30歳までに世界王者になる」と書き記した。来年4月19日に28歳の誕生日を迎える。試合後は興毅氏へ「3150FIGHTの舞台で日本タイトルをやらせてください。よろしくお願いします」と猛アピールした。