スーパーフライ級で、西軍代表の佐野遥歩(19=平石)が全日本新人王を獲得した。東軍代表の五十嵐春輝(23=湘南龍拳)と同級5回戦で拳を交え、3-0(49-46、50-45×2)の判定勝利を収めた。ノーモーションの右、右ストレート、ワンツー、左ボディーと距離を保ちながら多彩なパンチで攻撃。終盤は五十嵐と激しい打ち合いも展開して完勝した。

会場に100人近い応援が駆けつけた中、最後も打ち勝った佐野は「本当に応援が力になりました。ここで諦めたら。今日のために1年間頑張ってきたので、最後30秒間、思い切り打ち合いました。最高です」と勝利をかみしめた。小学生時代から角海老宝石ジムでプロボクサーだった父一雄さん(60)に指導を受けアンダージュニアで3度、U-15で1度全国優勝。静岡・飛龍高では1年時に全国選抜で3位に入った。練習場所を失っていた小学校時代、祖父和正さんによるお手製のジムで練習。「自宅に自分の練習場所を作ってくれて。おじいちゃんがいなかったらここまで来ていなかった。ありがとう」と会場に駆けつけた祖父に感謝した。

トップライバー(人気ライブ配信者)やものまね芸人らが在籍するタレント事務所リアム・プロモーションに所属しており、今後はプロボクサーと並行し、TikTokなどでタレント活動を展開していく意向。佐野は「タレント活動もやっていきたいですが、まず(ボクサーとして)ここから。日本ランキングにも入るし、来年は日本ユースのベルトを狙いたい。まだ気が早いですが勝ち続けて、静岡初の世界王者になります」と力強く宣言していた。