11度目の大みそか興行に臨むプロボクシング世界4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33=志成)が23日、都内で会見した。

31日、東京・大田区総合体育館でWBA世界同級王者のジョシュア・フランコ(27=米国)との2団体王座統一戦に向けた意気込みや3年ぶりに敢行した2カ月間にわたる米国合宿、来年に向けた展望などを明かした。主な一問一答は次の通り。

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-米国合宿の成果は

「本格的なトレーニング、スパーリング、走り込みだったり、試合前の準備をする上でやらなければいけないこと、充実した良い内容でできたと思う」

-王座統一戦への思い

「自分自身、ずっと望んでいた試合が(昨年大みそかのコロナ禍で中止になり)1年後に決まってとてもうれしい。望んでいる試合ができることを幸せに感じている」

-今年も日本ボクシング界の大トリ

「応援いただいているみなさんの期待に応えられるように。今年最後を締めくくるにふさわしい、良い試合をしたいと思います」

-7月に第2子が生まれた

「第2子が生まれて初めての試合でもありますし、しかも統一戦でもあるので、ベルトを必ず統一して、自分の家族のために頑張りたいと思います」

-メキシコ系米国人のWBA王者フランコの印象

「勇敢なメキシカンのファイターだなと。すごく積極的なスタイルで攻める印象。今回、特に日本に来て、彼からすると敵地なので、より積極的な試合展開になると思う。自分も準備してきたので、しっかり対応していきたい」

-フランコ戦は高度な技術戦になるのでは

「まず相手のパンチをもらわないことなのですが、今回もメキシカンファイターで積極的にどんどん試合を進めてくる。相手のリズムで、クリーンヒットでなくてもパンチをもらったり相手の展開になると、相手は勢いづいてくる。距離や自分のポジションで。ディフェンスもしっかり対策してきている。自分の距離、位置で自分のペースでもっていけるように。相手の攻撃に引き込まれないように相手の攻撃を止めていきたいと考えています」

-自信度は何%

「もちろん自信はあります。もちろん100%と言いたいですが、なかなか思い通りになるような、世界戦のリングはそういう場所ではないと思っている。自分が準備してきたこと、自信をもってやっていこうと思う」

-2階級での2団体統一は意義あること

「モチベーションで言うとかなり良い方向に持っていけているのではないか。王者になれば防衛戦を行っていくのが普通だが、その舞台すらありがたいこと。世界戦のリングで戦えることは王者であるうちは確約されている。現役選手として最高峰の舞台で、そこでモチベーションを左右されないようにと思っている。ただ統一戦に限っては簡単でできるものではないので、ずっと統一戦に向けて気持ちも自身でつくってきたところはある。統一戦ができるのはかなり気持ちは良い方向にいっている。王者同士の戦いなので、ボクが今まで築いてきたもの、チャンピオンとしてのレベルの違いをみせたいと思う」

-WBC王者エストラーダ(メキシコ)が「次は井岡と戦いたい」と興味

「自分としてはエストラーダ選手を自分の1つの大きな目標に掲げ、(引退から)復帰した。それが一番大きな理由でもあるので、彼に発言させるところまできたんだなという実感がある。ボク自身、この試合に勝って望むのはエストラーダとの試合。この流れで次の試合勝って、目標としてきた選手とスーパーフライ級で頂上決戦できたら1番いいと思う」

-3日のエストラーダ-ゴンサレス戦の感想は

「う~ん、正直、たいくつな試合でしたね。同じ試合みているような展開という感じでした」

-WBO同級1位は中谷潤人(M.T)に。中谷と指名試合を義務付けられた

「チャピオンとして挑戦者を迎え撃つのは当たり前のこと。それが誰であろうと、中谷選手であろうと、それはそれで何も思うことはない」(おわり)