2月の東京ドーム大会で現役引退する武藤敬司(60=プロレスリング・ノア)が代理人を務める「悪の化身」グレート・ムタが22日、最後のリングに上がる。舞台は90年9月に首都圏初登場した神奈川・横浜アリーナ。最大のライバルにして盟友のスティング、アリン(ともにAEW所属)と組み、白使(新崎人生)らと6人タッグマッチで対戦する。89年の衝撃から34年。ムタが現世にさよならを告げ、魔界に帰還する。

▽ムタの経歴・特徴アラカルト

◆初登場 89年4月、米国でグレート・カブキの息子として初登場。NWAからWWCを経て活躍。毒霧殺法で世界的ヒールレスラーとして人気を集める。

◆世界での活躍 ムタの前身スーパー・ブラック・ニンジャが88年5月にWWCプエルトリコ王座を獲得。89年4月、ムタとして米国で初登場。90年5月に日本初上陸。92年に新日本のIWGP、02年に全日本の3冠を獲得。93年には蝶野からNWA王座を奪取。カナダでは00年8月のWCW大会に出場し、バンピーロとのタッグでWCWタッグ王座を獲得。

◆コスチューム 96年の復活から、試合ごとに衣装が変化するのが魅力の1つに。02年にペイントからマスクマン化。基本の忍者風からダース・ベイダー、パイレーツなどバリエーションは豊富。

◆毒霧 89年に米国NWAで初登場したころから定番化。リングイン後間もなくの威嚇や、試合終盤に流れをつかむ手段として用いる。色は主に緑、赤を使用。過去には「聖水」と称して透明のものも。

◆反則攻撃 場外での鉄さく、鉄柱、いすを利用した攻撃は当たり前。頭部などにかみつき、大量の出血に追い込むのも定番。試合中に突然リング下に潜り込み、相手をかく乱する。客から武器になりそうなものを強奪することも。04年6月に本間を、21年8月に清宮を車ではね飛ばした。

◆欠場 21年8月に新型コロナ濃厚接触者の疑いで大会を欠場。