ジュニアのベルトは譲らない。先月4日の東京ドーム大会でIWGPジュニアヘビー級王者に返り咲いた高橋ヒロム(33)が、初防衛に成功。YOH(34)との29分42秒にわたる激闘を制し、ジュニアヘビー級&世界ヘビー級王座両取りのビッグドリーム構想をぶち上げた。

北の大地の雪を解かすような熱い戦いだった。序盤から相手のやりたいことをさせず、王者ペースで試合を運んだ高橋だったが、状況はドロップキック一発で一変した。一瞬にしてリズムを奪われると、再三のドラゴンスクリューで足を破壊。機動力を封じられ、何度も大ピンチに陥った。

それでも意地のキックアウトを連発。最後はヒロムちゃんボンバー(ラリアット)2連発からのタイムボム2(変形デスバレーボム)でライバルを蹴散らした。死力を尽くし、リング上に大の字の王者は「熱かったなYOH。そんな熱くなれるようなやつだったのか」と、成長を認めた。

昨年、ジュニア戦士による最強決定戦「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」で史上初の3連覇、歴代最多4度目の優勝を達成。今年の東京ドーム大会では、実力者3人との4WAYマッチを制して5度目の王座戴冠を果たした。初防衛を果たしたこの日、新日本ジュニアの顔は、「昔からの夢があるんです」と新たな目標を叫んだ。

「IWGPジュニアヘビー級王者、そしてジュニアのままIWGP世界ヘビー級王者のベルトを取る。そしてゴールデンタイムで試合をする!」

その、「どでかい夢」に1歩前進した。21日東京ドームで開催の武藤敬司引退興行では、プロレスリング・ノアのGHCジュニアヘビー級王者AMAKUSA(アマクサ)とシングルマッチで対戦する。まずはジュニアの覇権を握り、プロレス界を「もっともっと」熱くする。