ボクシングのWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級、東洋太平洋同級王者力石政法(28=緑)が24日、スパーリング合宿を行ったフィリピン・セブ島から成田空港に帰国した。

力石の次戦は6月10日にエディオンアリーナ大阪第2競技場で行われる「3150FIGHT SURVIVAL」に組まれた。世界前哨戦となる契約134ポンド(約60・7キロ)10回戦。世界ランカーを予定するが、対戦相手は未定だ。まだ見えない相手の前に自らを磨くべく、計画したセブ島合宿だった。

約30ラウンドのスパーリングをこなしたという力石は「メンタル面で成長できました」。練習パートナーやトレーナーも付けず、単身で乗り込んだ。食事も自炊でまかない、練習だけに没頭した。

「フィリピンの選手はファイターでゴリゴリにくる。その相手に案外いけたかなと思います。ピリピリ感もなく、いい調整ができました」

兄の元WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(30=緑)が、左アキレス腱(けん)断裂で8月に予定していた世界前哨戦の計画がなくなった。フィリピン滞在中に情報を得た力石は「びっくりしました」。兄の無念も背負い、兄弟世界王座奪取に向けて歩みを進める。【実藤健一】