UFC女子ストロー級を主戦場とする魅津希(みずき=29)が約3年1カ月ぶりにカムバックする。23日(日本時間24日)、米ネバダ州ラスベガスで開催されるUFCファイトナイト・ラスベガス79大会で、ハンナ・ゴールディ(31=米国)と女子ストロー級5分3回で対戦する。20年8月のアマンダ・レモス(ブラジル)に判定負けて以来のケージ(金網)復帰。「いつもワクワクしているのですが、3年ぶりで緊張の方が勝っている。緊張というか恐怖かな。試合になれば覚悟を決めてやる」と率直な心境を口にした。

20年9月の練習中に古傷の左膝を悪化させ、左膝前十字靱帯(じんたい)の再建、軟骨の切除と変形の調節という3カ所の手術を受けた。リハビリは1年。練習復帰後も慎重に回復を待ち、全力でトレーニングできるようになったのは1年前。そのタイミングで、練習拠点の米ニューヨークから約4年ぶりの帰国も果たし「親にも3~4年会ってなかったので、会えて気持ちを切り替えられた」と再始動を強調した。

国内では同じUFCファイター村田夏南子(30)らと練習を重ねてきたとし「練習パートナーと出会えたり、自分の中で良い経験できました。村田選手と一緒に練習し、良い技術を教わったりとか。同じ階級なので一緒に練習し、良いテンションで今、(米国に)来ている感じ」と気持ちを高揚させた。特に組み技の強化を図った自負があり「(相手は)上半身の筋力がすごいのか体がごついが、うまくいなし戦えていけば良い感じで勝てるのではないか」と手応えを示した。

弟は総合格闘家・井上直樹(26)でRIZINが主戦場。10月1日のRIZINランドマーク7大会に参戦し、16年リオデジャネイロ五輪レスリング男子グレコローマンスタイル59キロ級銀メダルの総合格闘家・太田忍(29)との試合を控える。魅津希は「練習動画を見た弟の意見を聞いて、結構、同じ意見だったりしていた。『大丈夫でしょ』と言われたので『大丈夫なんだろう』と思っている」と笑顔。弟に勝利のバトンをつなぐ意識を胸に秘め、ケージに戻る。【藤中栄二】