10月6日にWBA世界フライ級王者デンカオセーン(タイ)に挑む亀田大毅(20)が、水陸両方で王者対策に着手した。亀田3兄弟の鹿児島・奄美大島での強化合宿2日目の9日、海釣りのために船に乗り込むと、亀田家ならではのユニークトレが始まった。

 父史郎氏が大毅に告げた。「おい、前、立て!

 デンカオ対策や」。この日は風が強く波高2・5メートル。船は平均時速40キロで進んでおり、立つのがやっとの状況だ。そんな中、大毅はサンダル履きのまま船の先に立ち、揺れる船上でシャドーまで行った。父史郎氏は「足腰にええで。地上よりバランスが取りにくいな。いつ来るか分からんから波とパンチは一緒。これ最高やな。新トレーニングや」と笑顔。往復約3時間も立ち続けた大毅は「足に効くな。バランスつくで」と満足げに振り返った。

 陸に戻ると、今度はハブ園に向かう。猛毒を持つハブに最初は恐る恐るだったが、至近距離まで顔を近づけてにらみつけた。巳(み、ヘビ)年(89年)生まれだけに「親近感はあるな」と言いながら、ハブの威嚇的な態度に闘争本能をむき出し。「メンチ切ってやった。ハブはかまれたら死ぬけど、デンカオのパンチでは死なん。(デンカオセーンは)怖くない。次は世界取りますわ」。2度目の世界戦27日前、大毅が南の島で戦闘モードのスイッチを入れた。【浜本卓也】