大相撲の横綱日馬富士(31=伊勢ケ浜)が19日、来日後初めて絵画展「Two World」を開くことを発表した。東京・銀座の老舗、日動画廊で23日から5日間。母国モンゴルでは美術学生時代の15歳で初の個展を開いたが、同画廊でプロ以外の展示会は98、00年に2度開いた歌手長渕剛以来2人目。「(長渕の)大ファンなんで、うれしいですね」と頬を緩めた。

 大好きな絵画は、九州場所優勝の原動力だった。「悲しい時に絵を描くんです。幸せなときは色が出ない。言葉を色に出してます」と言う。2場所休場中には没頭して8枚を描き上げ、苦難を乗り越えた。出展するのは、主に富士山を描いた油絵など二十数点。題名は横綱の感性でつけた季節やあいさつなどで「落ち込んだ時に見ると元気が出る。リラックスして帰ってもらえれば」と呼び掛けた。売上金はすべて、病気の子供を援助するNPO法人「ハートセービングプロジェクト」の活動に寄付する。

 ◆異業種の才能 「元祖歌う力士」こと大関増位山は、現役時代からヒット曲を連発。「そんな女のひとりごと」は139万枚の売り上げを記録した。元小結の龍虎は引退後、俳優業に転身。有名ドラマ「太陽にほえろ!」「暴れん坊将軍」などに出演した。モンゴル出身力士の先駆けだった小結旭鷲山は引退後に母国で政治家になり、大統領補佐も務めた。第68代横綱朝青龍は、引退後に母国で実業家として活躍。「ASAグループ」を始め、金融機関「NIバンク」の大株主にもなり、同国レスリング協会会長も務めている。