大関豪栄道(30=境川)が平幕玉鷲を寄り切りで下し、14連勝で涙の初優勝を決めた。30歳5カ月は年長5位、幕内在位54場所は4位のスロー記録(いずれも年6場所制が定着した58年以降)。大関昇進後は度重なる故障に泣き、先場所まで勝率5割2分と低迷したが、持ち前の勝負強さで汚名返上に成功。九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)が初めての綱とりになる。

<豪栄道の記録>

 ◆年長初優勝 30歳5カ月は、年6場所制が定着した58年以降、隆の里の29歳11カ月を抜いて、歴代5位の年長初V。

 ◆新入幕からのスロー初優勝 54場所は、1909年(明42)夏場所以降、4番目のスロー。

 ◆大関時のスロー初優勝 13場所は、昭和以降の新大関で9位。

 ◆大関の年長優勝 58年以降、30歳0カ月の旭富士を抜いて歴代8位。

 ◆大阪出身力士の優勝 1930年(昭5)夏場所を制した山錦以来、86年ぶり3人目。

 ◆かど番優勝 08年夏場所の琴欧洲以来8人目。14日目での決定は、魁皇、琴欧洲に次いで3人目。

 ◆初日から14連勝で初優勝決定 82年秋場所の大関隆の里以来34年ぶり。

<豪栄道豪太郎(ごうえいどう・ごうたろう)アラカルト>

 ◆生まれ 1986年(昭61)4月6日、大阪府寝屋川市生まれ。4380グラムで産声を上げ「強そうで、すごそうな太郎にしよう」(母真弓さん)という理由で豪太郎と命名。

 ◆わんぱく&高校横綱 明和小1年で市の相撲大会で優勝。小3からは道場に入り本格的に始める。小5時に全国わんぱく相撲優勝。埼玉栄では幕内妙義龍と同学年で高校横綱になる。

 ◆プロ入り 境川部屋へ入門し、05年初場所初土俵。新入幕の07年秋場所では、11日目を終えて10勝1敗で単独トップも、結果は11勝4敗。

 ◆名関脇 12年夏から14年名古屋まで昭和以降単独1位の14場所連続関脇在位を記録。三賞は殊勲賞5回、敢闘賞3回、技能賞3回。

 ◆故障続き 大関昇進を決めた14年名古屋場所で左膝半月板を損傷、右肩鎖(けんさ)関節剥離骨折、右手首負傷、左眼窩(がんか)内側壁骨折などのけがに泣き、先場所までの大関成績は93勝86敗。勝率5割2分は、大関初優勝を飾った力士で直前場所までのワースト記録。

 ◆趣味は読書 「小説は読まない。(プロ野球中日GMの)落合博満の本とかは読む」。

 ◆好物 焼き肉でバラ、タンが好み。嫌いな食べ物はキュウリ、納豆、すし。

 ◆得意技 右四つ、寄り。

 ◆サイズ 183センチ、160キロ。

 ◆通算成績 543勝385敗26休。