百戦錬磨のベテランが、執念の白星をもぎ取った。

 東幕下28枚目の豊ノ島(34=時津風)が、2勝2敗で迎えた今場所の5番相撲で、西28枚目の豪頂山(29=峰崎)と対戦。自身、05年九州場所4日目の若兎馬戦で決めて以来となる、かわず掛けで破り3勝目をマーク。再び白星を先行させるとともに、3場所ぶりの勝ち越しに王手をかけた。

 「相撲内容は良くない」と振り返った一番。右で張って立ったが、狙いの左は差せず相手の首に巻く苦しい体勢。土俵際に追い込まれたが「アレが全て。あの体勢でも土俵際で残せた勝因」と語る、左を何とか巻き返して残った。豪頂山が勝負を決めようと、右からのかけた外掛けを、逆に払うように打ち返し相手を背中から土俵に落とした。

 「ベテランの意地です」と開口一番、執念の勝利を強調した。「今の(自分が置かれている)状況みたいな相撲。あきらめずに頑張ろうという中で勝った」とも言う。勝ち越しに王手、さらにもう1つ勝って、少しでも来場所の番付を上げたいところ。「まず勝ち越してから、少しでも番付を上げたいから」と2連勝締めといきたいところだ。