何はともあれ3場所ぶりの、うれしい勝ち越しです-。

 東幕下28枚目の豊ノ島(34=時津風)が、3勝2敗で迎えた6番相撲で、西幕下32枚目の鳰の湖(30=山響)と対戦。迷いなく前に出る会心の相撲で寄り切り、1月の初場所以来、3場所ぶりの勝ち越しを決めた。

 立ち合いから圧力をかけ、押し込んで前進。自然と左をのぞかせると、深く入った右のかいなを返しながら、危なげない取り口で寄り切った。最後の詰めは、前に倒れ込みながらで「気持ちでしょうね、あんな形で倒れ込むなんてね。普通に寄ればいいのに、必死ですよ」と苦笑いした。幕内上位を沸かせた実績だろうか。この地位で勝ち越しても手放しでは喜べないのか「うれしいのと(そうでないのと)半分ずつぐらいかな」と正直な胸の内も明かした。残り1番。勝って3つの勝ち越し(5勝2敗)と、負けて1つの勝ち越し(4勝3敗)では、来場所の番付アップに影響する。「勝つと負けるとでは全然、違うからね。何とか勝って2年ぶりの名古屋を、いい形で締めたいね」と、最後の一番にも全力で臨む。