6戦全勝で3人がトップに並んでいた三段目の優勝争いは、7戦全勝同士による千秋楽の優勝決定戦に持ち込まれた。

 先に土俵に上がった東82枚目の満津田(まつだ、23=峰崎)が、序二段で優勝を争う徳田(武蔵川)を豪快な二丁投げで破り7戦全勝。その19番後に行われた6戦全勝同士による対戦で、西18枚目の炎鵬(22=宮城野)が田辺(木瀬)を破り全勝キープ。満津田と炎鵬による優勝決定戦となった。

 満津田は長野・飯田工まで柔道をしていた。90キロ級で、支え釣り込み足が得意だったという。「とっさでした」という二丁投げは「一度、下手か上手で投げを打ったとき、相手の足が自分の近くに見えたので、1発の投げでは食わないと思って、もう1回打ちました」と柔道経験を生かした。ただ「今場所、全勝は想定していませんでした」と本人も驚きの表情。10人以上の報道陣に囲まれ「いつもこの様子(光景)を見ていて、これは人ごと(自分には関係ない)と思っていたので、全く実感がありません」と笑った。7月の名古屋場所後、場所休みを数日取っただけで長野県内で芝田山部屋と合同合宿し、力がついたという。実家は飯田市で、代々120年ほど続く食堂を経営しており「満津田食堂」の屋号から、しこ名がつけられた(本名は松田誉彦)。「とりあえず幕下には上がりたい」と地道に出世街道を歩む。