大相撲秋場所を左上腕付近のけがで全休した横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が「復活」の2文字に力を込めた。地元茨城・笠間市の笠間稲荷神社で横綱土俵入りを披露。最高値で2万円という異例の有料席も設けられた中、約3000人の前で元気な姿を見せた。

 初めて全休し、テレビで見ることで「また違う刺激があった」という秋場所。「調整が間に合わなかった悔しさがあった。より動けるように、復活しようと毎日毎日、過ごしていた」と場所中も稽古場で体を動かした。そのかいあって、体の状態は「だいぶいい。7月に比べると何倍も良くなっている」と打ち明けた。

 10月2日に東京・両国国技館で行われ、連覇が懸かる全日本力士選士権への出場を宣言。5日から始まる秋巡業も出る。九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)に向けて「15日間、しっかり相撲を取れるように。復活するだけだと思います」。今の思いを表す2文字を、何度も用いた。