大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)による暴行問題で、現在開催中の九州場所千秋楽翌日の27日にも、横綱白鵬(32=宮城野)が事情聴取を受けることが20日、分かった。白鵬は九州場所9日目を終え、唯一の全勝キープで早くも2差をつけて史上初の40度目の優勝に近づいた。喜びもつかの間、節目の優勝の快挙に水を差す事態が起きる可能性が出てきた。

 日本相撲協会の危機管理委員会は前日19日に、休場中の日馬富士に事情聴取を行った。日馬富士が平幕貴ノ岩を暴行した酒席が行われた現場を管轄する鳥取県警による事情聴取は、それに先立って17日に実施。相撲協会は捜査に全面協力の姿勢だけに、今後も県警が先に聴取するスケジュールで進む。県警、相撲協会ともに暴行が起きた酒席への参加全力士から事情を聴く方針で、九州場所出場中の力士については場所後に聴取予定。それを知った白鵬は、19日に「よかったんじゃないですか。残り、集中できる」と歓迎した。

 一方で休場中の力士は千秋楽を待たず、酒席参加者の横綱鶴竜らを今週中に、当事者の両師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)、貴乃花親方(元横綱)は場所後に聴取し、問題の早期決着を目指していることも判明した。協会は30日に外部理事も参加する理事会を予定。それまでに酒席への参加全力士に話を聴き、一定の報告を行いたい意向。白鵬は27日から理事会前日の29日まで、3日間で県警、協会と2度の事情聴取を受ける可能性が高い。また、ビール瓶による殴打かどうかで証言の食い違いが生じ、県警が再聴取の方針を掲げている日馬富士同様、白鵬も複数回の聴取の可能性がある。このまま40度目の優勝を達成しても、余韻に浸る間もない状況になりそうだ。