昨年5月の夏場所前に引退した元関脇朝赤龍の錦島親方(36=高砂)の引退相撲が4日、東京・両国国技館で行われ、断髪式では約250人の関係者がはさみを入れた。

 断髪式の終盤には、鶴竜(32=井筒)、白鵬(32=宮城野)の両横綱に、部屋の前頭朝乃山(23)、さらには高砂一門の八角理事長(54=元横綱北勝海)がはさみを入れ、最後に師匠の高砂親方(62=元大関朝潮)が止めばさみを入れ、約18年間、苦楽をともにしたマゲに別れを告げた。

 断髪式前に行われた余興の「朝赤龍最後の土俵入り」では、4歳になる長男と一緒に行う予定だった。しかし直前になり泣いて嫌がったため、1人で行う想定外の事態が発生。そんなハプニングも錦島親方自身、知らされていなかったサプライズ演出で、会場は温かな空気に包まれた。断髪が終わり家族からの花束贈呈の際、長女のノムーンちゃん(9)が感謝の手紙を読み上げ。これには「ビックリした。何が始まるんだろうって。でも上手に読んでくれました」と3人の父親としての笑みを浮かべた。

 断髪後、整髪を終えると「(来日から)21年間、切ってなかったので軽くなりました」と話した。今後も部屋付き親方として後進の指導にあたる。どんな力士を育てたいかという問いには「ケガが少ない力士を。自分が学んだことを教えたい」と語っていた。