2016年11月の大相撲九州場所中に10代の現役力士が福岡県内で当時10代少女にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ容疑で初場所期間中の今年1月中旬に書類送検された件を受け、日本相撲協会の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は28日に大阪市内で「状況が分からない。調べてはっきりさせたい」と述べ、調査に努める意向を示した。

 10代力士の師匠は28日に報道陣に応対し、昨年11月に警察から問い合わせを受けたことを相撲協会に報告したと明言。協会はこの問題を公表していなかったことになる。さらにこの力士は今年1月の初場所を最後まで出場し、現在も春場所(3月11日初日・エディオンアリーナ大阪)に向けて所属部屋宿舎で稽古を続けているという。師匠は「被害届を出されるようなことはしていない」と弟子の容疑を否認した。

 鏡山部長によると、書類送検について警察から相撲協会に連絡はなかったという。発覚を受け、協会は危機管理委員会の担当弁護士らに調査を一任している。協会広報部は「事実を厳粛に受け止めております。当事者の言い分には相違もありますが、当協会としては検察庁の捜査に全面的に協力してまいります」などのコメントを発表した。

 角界は昨年10月の元横綱日馬富士関による暴行問題を筆頭に、エジプト出身の十両(当時)大砂嵐関による無免許運転、立行司の式守伊之助のセクハラ行為など不祥事が相次いでいる。