大相撲春巡業が24日、茨城・取手市で行われ、同県牛久市出身の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、平幕の竜電と三番稽古(7勝1敗)を行って地元を盛り上げた。

 他の力士よりもひときわ大きい声援と拍手を浴びながら稽古場に姿を現して、四股や腰下ろしなど基礎運動を約1時間。その間にも、幕内力士による申し合い稽古を注視していて「今日輝いていましたから」と、竜電を指名した。歯を食いしばりながら頭を胸に付けてきて、土俵際でも粘りに粘ってくる竜電に攻めあぐねる場面もあったが、左のおっつけや左四つなど自分の得意の形を確かめた。「非常にいい形でやれた。(竜電が)一生懸命、歯食いしばってやってくれた」と充実の表情を浮かべた。

 相撲を一番とるごとにも拍手をもらい、稀勢の里のしこ名が書かれた法被を着ている観客も会場に多く見られた。昨年に横綱昇進してから地元で続く“稀勢の里フィーバー”は今も健在で「ここまで声援があるのは茨城ぐらいですから」と自虐的に言って笑った。

 6場所連続休場中で夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)の出場も未定。負傷している左上腕付近は「だいぶ良くなっている」と感触は悪くない様子で「たくさん声援をいただいたのは励みになりますね。(地元に)またいい相撲を見せられるように頑張ります」と気合を入れた。