西前頭2枚目の阿炎(あび、24=錣山)が、大関豪栄道(境川)を破り、三役以上との対戦を3勝4敗で乗り切った。

 もろ手突きの立ち合い直後、左に回り込んではたき込み。一瞬で初顔合わせに決着をつけた。横綱白鵬から金星を挙げた前日6日目に続く、連日の殊勲の星に「うれしいッス。(豪栄道が)いくぞ、いくぞという感じだったので、相手を止めて、いなすイメージだった。先に動く意識は強かった」と、声を弾ませた。

 それでも快勝した前日の白鵬戦と比べると、相手の圧力を受け止めず、引いた格好となり、内容では劣る。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)に内容を責められないか問われた阿炎は「映像見てないッスけど、引いてたッスか? 相撲の内容で怒られるからな。でも、勝ったことには変わらない。自信になった」と、初顔合わせばかり7日間も続いた上位戦を上々の成績で終え、収穫を口にした。

 前日は母早苗さんに報告したいことを理由に、インタビュールームや支度部屋で「早く帰りたい」と連呼していた。部屋に戻ってから、電話で報告したところ「お母さんは泣いてて、何を言っているか分からなかったッス。でも、自分もつられて泣いちゃいました」と、笑って振り返った。連日の報告になるかと思いきや「今日はお父さんに」と話し、周囲の笑いを誘った。続けて、父俊和さんについては「泣いているところを見たことがないので、泣いてたら笑っちゃう」と話していた。