東前頭13枚目栃煌山(31=春日野)が石浦に肩すかしを決め、8勝2敗と勝ち越しを決めた。「もちろんうれしいですけど、今日はそれより、しっかり内容良く相撲が取れたことがうれしいです」。立ち合いで手応えのある踏み込みを決め、その後もひざを曲げたまま、1勝2敗と合口の悪かった相手を封じた。

 同じ部屋の新大関栃ノ心が右足親指付け根の靱帯(じんたい)を痛め、7日目から休場。「最近3場所は大関が(部屋を)引っ張ってくれましたから」と言い、今度は自分が、と同僚の碧山と「俺たちが頑張るしかないね」と奮闘を誓っている。

 無敗で走る御嶽海を、朝乃山とともに2番手で追う。三役を通算25場所も務めた男は、今の番付に満足していない。「上に上がりたいです。栃ノ心(の大関昇進)を間近で見て、いい刺激を受けた。くさっちゃダメ、ついていくしかないと、余計に思うようになりました」。もう1度、大関とりの夢を引き寄せるためにも、最後まで優勝戦線に踏みとどまるつもりだ。