元横綱日馬富士関の引退断髪披露大相撲が30日、東京・両国国技館で行われ、伊勢ケ浜部屋で兄弟子だった安美錦(39)も、断髪式ではさみを入れた。

はさみを入れると、元横綱の両肩をポンと押さえてねぎらった。言葉をかけたように見えたが「まあ、お疲れさまです、ということです。新しい門出の日なので何て言えばいいのか、ね」と、感慨深いものは胸に納めながら話した。

思うのは、今後の部屋のこと。1年前の秋場所は横綱日馬富士、大関照ノ富士ら6人の関取衆を抱えていたが、9月の秋場所では平幕の宝富士、十両は2人と関取衆は3人。

この状況を踏まえて「あれから部屋もいい状態ではないから、立て直すために関取衆が頑張って引っ張っていかないといけない。関取衆はじめ部屋一丸となりたいね」と前向きに話した。

そのためにも、10月3日で40歳になるが、まだまだ老け込むわけにはいかない。

西十両筆頭で臨んだ秋場所は7勝8敗で負け越し、再入幕のチャンスを逃した。千秋楽には九州場所に向けて「どうかな。分からない。結果を受け止めていろいろ考えたい」と現役続行に揺れ動く胸中を吐露していた。

それもこの日、元横綱の断髪式を終え「明日から10月になるし気持ちも新たにね。とりあえず痛めたところ、ケガを治すことを優先して、やれることは精いっぱい、やっていこうと思う」と、満身創痍(そうい)の体にむち打つ覚悟を口にしていた。