尾上親方(元小結浜ノ嶋)のおい、東幕下4枚目竜虎(りゅうこう、20=尾上)が7番相撲で十両青狼を破り、6勝1敗とし、来場所の新十両を濃厚にした。最初の立ち合いでつっかけられ、2度目は左に変化し、はたき込んだ。

関取へ。何が何でも勝ちたかった。「当たっていくつもりでしたが、待ったした時に“つっこんでくるんじゃないか”と」と変化の理由を説明。「ちっちゃい頃からの夢だったので…」と目に涙を浮かべた。

初場所は西幕下2枚目で迎えて4勝3敗、1歩及ばなかった。「あれがあるから頑張れました」。本来は右四つ、もろ差しで強みを発揮するが、今場所に向けての稽古では、師匠にまわしを取ることを禁じられ、連日40番ほど徹底的に突き、押しを鍛えた。熊本の父には「応援に来なくてもいい。十両に上がってから来て」と、場所中の連絡も断っていた。

母方の祖父、川上鉄弥さんが体調がよくない。「おじいちゃんが元気なうちに、化粧まわし姿を見せたかった」。そんな思いも力になった。

しこ名は本名。読み方こそ違うが、字は元小結でタレント、俳優の竜虎さんのしこ名と同じ。竜虎さんと知り合いだった師匠の父が「強く育って、プロで活躍するように」と願って命名した。生まれながらのお相撲さんは「周りに近い世代が多い。十両はまた違いますが、勝ち越せるよう、優勝できるように頑張りたい」と言葉に力を込めた。