大相撲夏場所で初優勝した前頭朝乃山(25=高砂)が3日、東京・墨田区の高砂部屋で稽古を再開した。

相撲は取らず、四股を踏むなど基礎運動で汗を流し、名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて始動。5月26日まで行われた夏場所後は、稽古こそ行わなかったが、取材対応や地元富山市へ帰郷するなど、多忙な日々が続いた。

それでも「富山に戻ったら人がすごかった。そういうのを見て、花束をもらって、いろんな人に『おめでとう』と言われて、優勝したんだなという実感が沸いた」と、うれしそうな表情で振り返った。

富山市に帰郷した際には、地元メディアらに対応した翌日の今月1日に、富山商高相撲部の元監督で、一昨年に亡くなった故浦山英樹さんの墓を訪れた。

墓前で手を合わせ「おかげさまで優勝することができました。来場所も稽古に精進して頑張ります。これからも土俵の上で見守ってください」と、心の中で唱えていたと明かした。

6月11~13日には富山・射水市での部屋の合宿に参加し、同16日には富山市で優勝パレードが行われることも決まった。それでも「名古屋場所は、優勝のことは忘れて、一からやる気持ちで15日間、臨みたい。一番一番に集中して、自分の相撲を取りたい」と、気を引き締め直していた。