横綱鶴竜(33=井筒)が10連勝で単独トップを守った。前日に白鵬の連勝を止めた平幕の逸ノ城に先手をとって攻めた。土俵際に追い込まれても、右前まわしを引いて耐え、出し投げで体勢を崩して寄り切った。

幕内最重量227キロの怪物に左でまわしを取らせず「力を出させないように、自分から先に動いた。体もよく反応した」と満足そうに取り口を振り返った。

取り組み前に角界の先輩、十両安美錦引退のニュースを聞いた。幕内での初顔合わせから6連敗した相手。「自分には壁でした。勝てなくて苦しんで“どうすればこの人に勝てるのか”と。自分が強くなるために欠かせなかった人。“油断できない”という言葉が、一番よく似合う人でした」と感慨深げに話した。

今は自分が角界を引っ張る立場だ。昨年夏場所以来6度目の優勝へ、残り5日。「より一層しっかりと集中することが大事です」と表情を引き締めた。