西前頭14枚目炎鵬(24=宮城野)が執念の逆転勝ちで、幕内初勝ち越しに王手をかけた。かいな力では角界有数の錦木に首、左腕を極められたが、土俵際で辛くも脱出。両前まわしをつかみ、相手の腹に頭をつけて寄り切ると大歓声が沸き起こった。

炎鵬は「やばかったです。首が折れるかと思ったほど」と錦木の怪力ぶりを表現。「まず首が抜けて。左(腕)は肩から極められて“もう無理かな”と思ったけど、捨て身でふりほどきにいって…。後は無我夢中です。止まったら負けると動くだけでした」。

取組前に安美錦引退のニュースを知った。「巡業でよく話し掛けていただいた。いたずらっぽく、ちょっかいを出してこられるんです」と笑い「同じ一門だし、気にかけてもらっていると感じました」という。「体も特別大きい訳じゃないのに、20年も関取でいられるのは相撲に対する熱があるからでしょ? 自分もそういう熱をもって頑張りたい」と敬意を表した。

新入幕の先場所は7勝2敗から6連敗で負け越した。ここからが大事だ。「1日1番、自分の相撲をとりたいです」。大先輩に負けない情熱で、まずは勝ち越しを決める。