日本相撲協会は28日、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。

秋場所で2度目の優勝を果たした関脇御嶽海(26=出羽海)は17場所連続の三役在位で、成績次第では大関昇進の可能性もある。

この日、福岡・新宮町の部屋で会見に出席した御嶽海は「三役になって長いので2桁は絶対条件」と力を込めた。大関昇進の意識については「まだ雲の上の存在。一番近くて一番遠い存在で、考えさせられる地位。この2週間で大関というものを考え直していきたい」と、強い意識をのぞかせた。

大関昇進の目安は三役で3場所33勝。名古屋場所で9勝、秋場所で12勝を挙げた御嶽海には、今場所12前後の白星が求められる。「今場所上がれなくても(2桁は)次につながる数字だが、12番取れるように自分の相撲を取っていきたい」。

地元を勇気づけたい場所でもある。先日の台風19号による豪雨により、地元長野が大きな被害に見舞われた。出身地の上松町はほとんど被害はなかったが、多くの知人が住んでいる長野市は千曲川が氾濫。「(テレビで見て)同じ長野県なのかなと思った。この目で1回確認したい」。多忙な場所前は地元に戻れない中で先日、水500ml2000本を千曲市に送った。秋場所で三賞獲得による賞金を計200万円を得たが「丸ごと長野に寄付しました」。場所後には、知人のりんご農園で泥の撤去作業に参加する予定もある中で、まずは土俵の上で勇姿を見せる。「少しでも自分の相撲で元気になってもらえればいい」と、力強く話した。