西幕下筆頭の千代鳳(27=九重)が東幕下4枚目の塚原を押し出し、勝ち越しを決めた。

立ち合いから低い姿勢のまま、一気に勝負を決めた。今場所は2連敗後に4連勝とし、約2年ぶりの十両復帰へ大きく前進した。

「場所前に腰を痛めて全然自分の相撲が取れず、やばいと思って治療した。思い切り自分の相撲を取ろうと思って頑張りました。とりあえずよかった」と振り返った。

5年前に小結を経験した実力者だが、右肩脱臼後に手術を受けるなど、2017年九州場所から2場所連続で全休。その間に関取の座から陥落し、一時は三段目まで落ちた。右肩の状態は「6割程度」。回復途上ながら、左をうまく使いながら、番付を戻してきた。

兄の千代丸は幕内の常連となり、同学年の御嶽海は大関を狙う位置まで来ている。千代鳳は「早く千代丸に追いつきたい。幕内を見ていると、同年代が頑張っている。早くそこにいきたい」と意欲を隠さない。

再十両になるかどうかは、ほかの力士の勝敗にもよる。「とりあえずもう1番、1つでも多く勝っておきたい」と今年最後の一番に目を向けた。