大相撲冬巡業が4日、熊本・人吉市で行われ、九州場所で11勝を挙げて敢闘賞を獲得した同県出身の幕内正代(28=時津風)が凱旋(がいせん)した。14年の入門以来負け越し知らずの九州場所を終えて「三賞というよりも勝ち越して地元に戻ってこられて良かった」と、安堵(あんど)の表情を見せた。

この日はグループごとの三番稽古に参加して関脇御嶽海、小結朝乃山らと計5番取ると、その後のぶつかり稽古では同じ時津風一門の横綱鶴竜の胸を借りた。約5分間引きずり回されて砂まみれになったが、地元ファンから拍手を浴びた。

1年納めの九州場所こそ好成績を収めたが、19年は勝ち越しが計2場所と振るわなかった。「マイナスなイメージが強い1年だった。(九州場所の)この調子で来年も頑張れれば。番付を落としていたので、また上位にいきたい」。目標は三役復帰。「若い力士も出てきているので負けたくない気持ちがある」と、力を込めた。

同じ熊本出身の幕内佐田の海(32=境川)も三役昇進に意欲を示した。最高位は前頭筆頭。九州場所が通算100場所目で、父の宏司さん(元小結佐田の海)の通算99場所を上回った。番付でも父に追いつくことが目標。「ここ数年はそこ(三役)しか見ていない」と目を光らせた。【佐藤礼征】