大関から陥落後、序二段から10場所ぶりに十両に復帰した西十両13枚目の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、東十両9枚目の旭秀鵬(31=友綱)を破って、十両唯一の中日勝ち越しを決めた。

立ち合いで左上手を取り、右下手も取ると形十分。旭秀鵬をつり上げるほどの強力な引きつけで動きを封じ、寄り切りで制した。「上手を取ってまわしを取れば大丈夫」と納得の相撲だった。

関取としての勝ち越しは、大関だった17年夏場所(12勝3敗)以来、約3年ぶり。「まだ7番残っている」と浮足立つことはなかったが「一安心はしたけど締めないとだめ。来場所につながらない」と、ここで満足する訳にはいかない。

大関陥落の一因となった両膝のケガについては、現在も定期的に治療を受けているという。それでも「1場所1場所力が入るようになっている」と徐々に力を取り戻しているのを実感している。