大相撲初場所で史上2度目の幕尻優勝を飾った西前頭17枚目の徳勝龍(33=木瀬)が27日、東京都内の部屋で一夜明け会見に臨んだ。「足伸ばして大丈夫ですかね」と自然体でスタートした。

-昨夜は今までにない夜

徳勝龍(以下徳) いやもう夢のようで。今も自分じゃないようでふわふわしてます。

-何時に寝たのか

徳 いつもスッと眠れるが、あまり眠れなかったです。

-実感は

徳 全然ないです。優勝したんかなって感じです。

-千秋楽の心境

徳 千秋楽まで三役力士とやってなかった。正代関に申し訳ないなと。思うところは少しあります。

-最後は大関

徳 番付最下位の力士が大関と当たることはないんで名誉なことだと。番付下なんで思い切りいくしかないなと。対戦は頭に入っていました。

-正代の相撲は見たか

徳 意識してなかったがすごくいい相撲だったんで。ヨシッと気合入りました。勝っても負けても自分の相撲だけ。自分のことだけ考えてやりました。

-結びは2度目

徳 その時とは心境が違う。千秋楽でもあったし、三役そろい踏み。やることがたくさんあって、そっちの方に気持ちとられた。

-そわそわしていた

徳 お客さんが笑ってたんで自分が間違ってたかなと。

-千秋楽は

徳 一番最後に取るなんて思ってなかった。びっくりですよね。

-いい集中

徳 気持ちの強い大関と思うんで、自分もその気持ちに負けないよういきました。

-決定戦あるとか

徳 この一番だけに集中の感じでしたね。あとはどうにかなる。決定戦のことは全く考えてなかった。

-完璧な内容

徳 そうですか。大関の突き落としはすごかった。

-涙は

徳 張り詰めていたものが一気に出ましたね。泣きすぎですね。

-思いがあふれた

徳 いろんな思いがありました。うれしいもあったし、15日間、自分では苦しくない思っていたけど、苦しかったんだなと。

-重圧が

徳 相撲のことだけに集中して、いらんこと考えずにその日の一番だけに集中していた。毎日言っていたけど、番付が一番下で自分より下はいない。逆に相手の方が番付下に負けたくないと思っていたはず。

-思いは

徳 これ勝ったら優勝とかは全くなかった。それは意識しないで、大関戦だけ。ここだけ思い切りいけばと。後のことは全然考えてなかった。

-14勝

徳 場所中も何番勝ったりとか覚えてないくらい1日、1日やっていた。今日何日目でした? 記者さんに聞くぐらい。

-十両との往復

徳 この前に幕内に上がった時、十両が長かったんで、幕内に上がれてホッとした。満足した部分あって4勝11敗で大負けした。満足したらダメ。常に向上心持って、上を目指す気持ちが大事だな思って、そこから。

-意識の違い

徳 意識ですね。幕内に帰りたかったが、そこで満足したらダメだと。常に上を目指して心を入れ替えたというか。優勝できる力士ではないと思っていたんで。三賞も自分には縁のない力士かなと思っていたんで、うれしいです。

-何が信じられない

徳 自分は本当に弱いんで。周りの人はもっとやっていると思うんで、自分ももっとやらないといけないと思った。自分が稽古していても、周りはもっとやっている。稽古でも満足せずにもっと、もっと。木瀬部屋は幕下が強いんで。胸出す意識なく、胸出すと持っていかれるんで。幕下だけど、いい稽古させてもらってます。

-伊東監督が亡くなった

徳 インタビューでも言ったんですけど、監督は土俵の中で一緒に見てくれたじゃなく、土俵の中で一緒に戦ってくれた。それしかないです。終盤も土俵際、逆転とかあったけど、監督が背中が押してくれたような不思議な感覚でした。

-しこ名に入れるほど

徳 東京にいて相撲見てくれたと聞いて、本当に今でも信じられない。ずっといい報告がしたい、それだけでしたね。

-気持ちを土俵に

徳 相撲で恩返しというか、相撲しかないんで。監督は相撲が大好きだったんで。

-監督は関取にとって

徳 監督が近大に誘ってくれなかったら、今の自分は絶対にない。大相撲にもいなかったかもしれない。高校時代は大相撲なんて考えられなかった。大学に入って監督が勝てるようにしてくれた。

-心に残る教え

徳 監督は「はたいていいよ」言ってくれた。そのかわり、前に出て圧力かけてからと。最初からはたこうといったら何も効かない。それが一番頭に残っています。

-土俵際の突き落としも

徳 前に出て押し出せば一番いいが、それも自分の相撲なんで。逆転、逆転と言われるが、それも自分の相撲と思っている。

-いい報告が

徳 そうですね。いい報告ができます。

-春場所は地元の関西

徳 これからが大事、あらためて思いました。いい成績残さないと笑われてしまいますんで、ここからが大事。準ご当地なんで。声援がモチベーションになった。また、あの声援を受けたいですね。

-来場所の目標

徳 とりあえず今はもう、ゆっくり休みたい。来場所のことはもうちょっとしてから。

-メールは

徳 すごかったですね。500件ぐらい。

-夫人とは

徳 朝に。「よかったね」ぐらい。嫁は常に同じというか、自分は緊張しててもひょうひょうとしている。どんなメンタルしてるんだと思いました。

-支えは

徳 勝っても負けてもいつも通りしてくれる。家ではリラックスさせてくれる。

インタビュー練習は

徳 風呂場でしてました。関西魂で。笑わそうとするんで、笑ってくれましたかね?

-笑いは

徳 常に家でも笑いが。ボケたりしたら、母親が「つっこまんかい」と。楽しい家族です。

-応援に来てくれた

徳 家でドシッとしてくれと言ってたんで、まさか来てくれるとは。うれしかったです。

-千秋楽の一番は

徳 しっかり当たってというのは一番頭にあった。しっかり当たれたかなと。離れてやばいかな思ったけど、右上手とってよしと思って出ていったら強烈な突き落とし。やばいと思ったけど、何とかいけました。

-北の湖親方に

徳 いや左四つだけ。自分も緊張してたんですけど、どうすればはなかった。「お前は左四つ」だけでした。

-「ロクイチ組」

徳 同年代みんな強くて三役経験してるんで、置いていかれている思いあったが、自分は自分と思ってしっかり切り替えて、やれることだけやろうと。周りは関係ない。人は人と思ってやってきた。荒磯親方にほめてもらえるのが一番うれしい。同級生だけど兄弟子なんでうれしいです。

-人に言わない我慢強さ

徳 ここが痛いとか言いたくないというか、言っても治らないんで、言ってもしょうがない。

-強みは

徳 強み…なんですかね。自分は全然弱いんで、一生懸命ですかね。1番に集中して、いい相撲とろうと。それだけです。

-愛称は

徳 いろいろ言われるんですけどね。マコ関とか、マコちゃんとか、徳ちゃん。

-まだ33歳

徳 なんすかね。部屋に若い子多いんで、話が合ったり、精神年齢が幼いのか。自分の中では33歳という感じではないんですよね。治療、トレーニングのやり方は進化してきている。相撲の寿命長くなるんじゃないかと思います。

-父には

徳 生んで育ててもらって、それが当たり前とは思っていない。感謝の気持ちを忘れずにやりたい。

-今何がしたいか

徳 温泉とか行きたいですね。ゆっくりしたいです。