日刊スポーツ大相撲評論家の高砂親方(元大関朝潮)に、部屋の近況やコロナ禍などへの思いを語ってもらう不定期連載「大ちゃん大分析~特別編~」。今回は開催を目指す7月場所(19日初日、両国国技館)の理想案などについて語ります。

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ようやくプロ野球が開幕する。サッカーもJリーグが来月には始まる。最初は無観客でも徐々に観客を入れての開催になるようだ。無観客でもリモートで観戦するファンの声や拍手の音を、スピーカーなどで会場に送ったりする演出もするそうだ。なるほど、創意工夫して面白いと思うよ。

ただ、相撲はちょっと趣が違う。和物と洋物の違いというかな。確かに相撲も満員のファンの歓声が力士を後押ししてくれる。でもメリハリの違いと言えばいいだろうか。立ち合いの際に静寂があって、立った瞬間から歓声が上がる。勝負がついたら満場の拍手。ずっと応援歌や手拍子が続くのとは違い、抑揚があるのが相撲の良さだ。屋内競技と屋外競技の違いもある。

相撲も開催を目指す7月場所の初日まで1カ月になった。現状は無観客だが、状況が許せば少人数でも観客を入れてもいいんじゃないかと個人的には思う。ただそれも一般ファンではなく、溜会や東西会といった維持員など長年、協会を支えてくれている方々に見ていただく。大阪からも、開催できなかった名古屋からも来てもらえれば喜んでもらえるし、力士も緊張感が出るんじゃないかな。7月場所は「特別開催」と位置付けている。いろいろな考えがあっていいと思うよ。(日刊スポーツ評論家)